2019.09.03
ご卒業&ご就職 ~ 卒業式
8月最後の金曜日、30日の午後に、JOT
サポート神戸では第5回目となる卒業式が行
われました。
今回の卒業生は、これまでの卒業式では最多
の3名、みるくさん、なつさん、JOEさん
です。
3名もの仲間を一度に送り出すこととなった
のですが、3人ともそれぞれのスタイルを貫
いた末に勝ち取った三者三様の就職でした。
まずは、JOTでは最年少だったみるくさん。
みるくさんが初めてJOTサポート神戸に
来られたのは、まだ高校も卒業されていない
頃でした。
そんなみるくさんが目指されたのは、調理補
助。調理補助の仕事での実習受け入れ先が少
ない中、新規開拓で応募先を探さなくてはな
らないかも…とスタッフたちが検討を始めた
ところ、偶然にもご希望どおりの求人との出
会いがあり、ご自宅からも通勤しやすいとい
う好条件でのご就職が決定しました。
これからは、介護施設内の厨房で勤務される
みるくさん。2年後の調理師へのスキルアッ
プを見据えてのご就業となるでしょう。
なつさんは、とてもきれいな、澄んだお声と
まなざしの印象的な方でした。
ちょっと遅れて来所されるようなときでも、
室内の全員に届くように、心地よく響く声で
きちんと「おはようございます」と挨拶をし
てくださる方でした。
すでにプログラムが始まっていて、障害特性
上ちょっとした物音にも敏感に反応するよう
なメンバーが多い中、なつさんのお声はとて
も清らかに澄みきっていて、誰もが一瞬さわ
やかな風がふわりと吹き抜けたような気持ち
を味わっていたと思います。
なつさんが重視されたのは、いわゆるワーク
ライフバランス。
ご自身の体調や障害特性を考慮された上で、
無理のない勤務時間・勤務日数でのご就業
を希望されていました。
しかし、週に20時間未満の障害者枠雇用と
いう求人は少なく、なつさんのご希望は難し
いかと思われました。
そのような中、短時間雇用創出プロジェクト
という行政のとりくみが行われていることが
わかりました。まさに、なつさんのためのよ
うな制度。何度も面接の練習を行い、スタッ
フたちとも入念な打ち合わせをして、ついに
この希少なご縁を引き寄せられたのです。
JOEさんは、引っ込み思案なメンバーたちが
多い中、グループワークなどでは率先して手
を挙げて、みんなの先陣を切ってくださる
ような方でした。
ブログではもうお馴染みですが、JOEさんは、
後天的に障害を持つようになられて、とても
苦労と葛藤の多い方でした。
障害特性上、「向いていない」「やめておい
た方がいい」とまで言われた対人職にこだわ
り続けられ(詳しくは、ブログをご覧くださ
い)、ついには憧れだったホテル業界への
ご就職が決定しました。
正社員待遇ではなかったのですが、現場から
のキャリアアップが多いホテル業界です。
これからの大きな目標への確かな足掛かり。
きっと持ち前のガッツで、JOEさんはこれ
からも挑み続けられることでしょう。
今回の卒業式は、いつもとはちょっと趣きが
異なりました。
何といっても、卒業生の人数が違います。
卒業生ひとりに対して、メンバー全員がお祝
いの言葉を述べる…のが3人分です!
みるくさん、なつさん、JOEさんという順番
だったのですが、さすがに長丁場になり、間
に休憩が挟まれるという、異例の事態となり
ました。
そうなると、障害特性の有無に関わらず、
緊張感を保つのもなかなか大変です。
卒業式特有の厳粛な雰囲気も、最後の方は
JOEさんの明るいキャラクターも手伝って
か、次第にお笑いな雰囲気になってきまし
た。
恒例の「お見送り」も、3人一度にではなく
、ひとり見送ってまた次、というように、ひ
とりずつのお見送りとなりました。
「がんばれ!」ではなく「大丈夫!」。
「さよなら」ではなく「いってらっしゃい」
涙涙…ではなくなってしまいましたが、
それでも、JOTサポート神戸らしい、暖かい
笑いに包まれた卒業式でした。
みるくさん、なつさん、JOEさん。
季節の移り変わりと共に巣立って行かれまし
た。
それぞれの姿勢で、自分らしくしなやかに。
三人三様のこれからを、いつまでも見守って
おります。
どうか、あなたたちがいつでもあなたたち
らしくありますように!
※3人の卒業ブログも是非ご覧ください!
⇒ みるくさん『JOT卒業、就職という新たな道へ』
⇒ なつさん『貴重な想い出 たくさんの2年間』
⇒ JOEさん『卒業、そして就職』