2019.11.12

ご卒業&ご就業

すっかり報告が遅くなってしまいましたが、10月のおわりに2名のメンバーが巣立ってゆきました。
干物男さんとMOGUさんのおふたりです。

以前は別の就労移行支援事業所に通われていたため、今年の12月で2年間の利用期間を満了される予定だった干物男さん。その時期の就職を見据えて、登録販売者の資格試験に取り組まれた結果、8月に見事に合格を果たされました。
取得した資格を引っ提げて、これから本格的に就職活動に入ってゆかれる…と思っていたら、あれよあれよという間に採用が決定。感慨にふける間もなく卒業が決定し、簡単ではありましたが、改まった卒業式の代わりに、「送る会」が開かれたのでした。
ときどきぼーっと自分の世界に入り込んでしまわれて、うっかり人の話を聞き逃してしまわれたりする干物男さん。そんな干物男さんは、
春のお花見などでは趣味のディジュリドゥ(※オーストラリア先住民アボリジニの伝統的な楽器)の演奏で場を盛り上げてくださったり、新しく入所された方には積極的にお声がけされるなど、みんなで楽しく過ごすのがお好きな、とても人の好いところがある方でした。

MOGUさんは、今ではもう残り少なくなってしまった、JOT創設時からのメンバーのひとりです。“JOTの太陽” と称される明るいお人柄で、ムードメイカーだったMOGUさん。そんなMOGUさんは、初めてJOTに来た頃はとにかく自己肯定感がどこまでも低く、ちょっとした出来事にも強く反応してはよく泣いていらしたようです。
MOGUさんは、(ご自身の表現を借りると)“やらかして” は激しく混乱し、気持を昂ぶらせて号泣し、そしてようやく気持ちが落ち着いて周りを見回してみると、周囲の人は困惑して疲れ果てていて、その原因が自分にあることを悟るや否や自己嫌悪のどん底に陥る…という、端で見ていても気の毒になってくるようなループを繰り返されていました。そのようなMOGUさんという方ですが、どこまでも純粋で、子供のような無垢さを持つ方でした。いつも全力で泣き、ありったけの感情を放出し、流す涙は限りなく純度が高く透明でした。
2年間の利用期間を延長して、ご自身の特性ととことんまで向き合われた結果、MOGUさんはついに旅立ちの日を迎えられたのでした。

干物男さんとMOGUさん。ひとりは最短と言ってもいい早さでのご就業決定。もうひとりはじっくり時間をかけてのご卒業でした。
このふたりに限らず、メンバーたち全員がそれぞれ、ここで過ごす時間は違います。まるで、周期の違うある彗星とまた別の彗星とが、ほんの一瞬巡り合って、またそれぞれの軌道に戻ってゆくように、メンバーやスタッフたちがここに集ったのは奇跡の邂逅です。
それぞれの道に向かって飛び立っていかれた干物男さんとMOGUさん。その軌跡を、残された私たちは寂しく見送るのですが、いつまでも沈んだままではいられません。新しいメンバーたちも入ってきます。JOTの空気を停滞させるわけにはまいりません。
干物男さん、MOGUさん、おふたりの輝きはご自身の行く先を明るく照らすことでしょう。
存分にお力を発揮されますよう。貴方たちの成功を、あとの私たちは力に変えてこれからの日々を過ごしてゆくことでしょう。

※ブログも是非ご覧ください
⇒  干物男さん ~ 干物男卒業する
MOGUさん ~ 卒業

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA