初めまして。4月にJOTのスタッフとして入職致しました大町知輝と申します。
…と挨拶をさせていただきましたが実は私はJOTサポート神戸の元訓練生なので初めましてではない方もおられるかもしれません。
嬉しいことにメディア部の皆様から私の「自己紹介・自己開示の記事」のご依頼をいただきましたので、今回は私が診断されている障害である「強迫性障害」と「双極Ⅱ型障害」を軸にお話ししていきたいと思います。
それぞれの障害の概要についてはこのようになっております。(AIによる要約)
「強迫性障害」:不合理だと分かっていても頭から離れない不安や考え(強迫観念)にとらわれ、それを打ち消すために無意味な行動(強迫行為)を繰り返してしまう疾患です。日常生活に大きな支障をきたすことがあり、適切な治療が必要です。
「双極Ⅱ型障害」:気分が高揚して活動的になる「軽躁(けいそう)状態」と、気分が激しく落ち込む「うつ状態」を繰り返す気分障害です。完全な躁状態を伴うⅠ型とは異なり、Ⅱ型の軽躁状態は周囲も「調子が良いだけ」と見過ごしやすいため、長期間うつ病と誤診されることが多いのが特徴です。
まず強迫性障害について、私が持つ症状やエピソードを紹介させていただきます。
強迫性障害の症状は上記のように、「心配性」や「きれい好き」のレベルではなく日常生活に支障が出るほどの思考や行動となって表れます。本人もそれが過度なものだと分かっていても確認や洗浄を繰り返してしまい、やりたい訳でもないのに止めることが出来ず、本人にとって非常に苦痛を伴います。
症状が表れ始めたのは私が小学二年生ごろでした。
算数のテスト中、「計算ミスをしたかもしれない」と不安になり、解いた問題を何度も繰り返し解きなおしていた結果、時間内にテスト全体の3割程度しか解答できない…といった事が度々ありました。
こうした症状は成長と共に治っていくだろうと先生も両親もあまり重く受け止めず通院にまでは至りませんでしたが、その後の高校時代、大学時代と日常生活でも症状は表れ、拍車がかかっていきました。
忘れ物チェックを過剰に繰り返して時間をかけてしまう、所持品を失くしていないか不安になりカバンの中身を全て出し机の上に広げて個数確認する…を何度も繰り返す、などなど…。
さらに、トイレや入浴にも多大な時間をかけるようになっていました。実際には汚れていないのにまだ汚れているのではないかと思い込み、入浴については1回に3時間ほども入っていました。
そんな私が大学生の時に転機が訪れました。
大学のとある講義の中で初めて「強迫性障害」というものについて知ったのです。
聴くもの全てが私そのものでした。講義を終えた瞬間どこかほっとした感覚を覚えていますし、間違いなく私はこの障害だと確信しました。
そして大学卒業後に、医師からも実際に強迫性障害の診断をもらいます。
その後はクローズでの就労やJOTサポート神戸への入所などと並行しつつ、生活との兼ね合いや自身との相性などから何度かの転院を経て、最終的には強迫性障害に権威のある兵庫医科大学病院で処方してもらった薬を服薬しながら月一ペースでの通院となりました。
しかし、JOTサポート神戸の卒業や就職が迫ったある時、医師の方から「双極Ⅱ型障害」だと新たに診断されます。
服薬していた強迫性障害の薬がこの双極Ⅱ型障害との相性が悪く、当時うつ状態にあった気分が異常なほど急激に高揚した躁状態に切り替わる「躁転(そうてん)」という現象が起きてしまったのです。
上述のように躁転すると気分が異常に高揚した状態となり、眠気や疲れを感じなくなる(が、実際には疲れている)、お喋りが止まらなくなる、衝動買いや思いつきで旅行に行くなど無計画になる、些細な事で怒り攻撃的になる…などの症状が現れてしまいます。
私も実際に周囲の方々にご迷惑やご心配をおけかしたり様々な苦労がありました。
JOTスタッフさんの助力や、セカンドオピニオンの意見も頼った結果、躁転の原因となった強迫性障害の薬は少しずつ減らしていき、最終的には服薬をやめることにしました。
その代わり強迫性障害については「曝露反応妨害法」という療法で治療を始め、月に一度の通院を現在も続けています。
「曝露反応妨害法」とは強迫性障害の治療に最も高い効果が実証されている認知行動療法の一つです。あえて不安や不快感を覚える状況に自分をさらし(曝露)、いつもやっている「確認」や「手洗い」などの強迫行為を我慢する(反応妨害) ことで、不安が自然に和らいでいくのを体感するトレーニングです。
双極Ⅱ型障害の方については処方してもらった薬の服薬に加え、その成分の血中濃度を数か月おきに検査、調整しています。
また、自分の体調不良のサイン(例えば…予定を詰め過ぎる、カフェインの過剰摂取、6月に躁転しがち、周りの声に耳を傾けない…等)に可能な限り気付くようにして生活しています。
「曝露反応妨害法」は当事者にはかなり難しく過酷なものでもあるのですが、これらの努力や対処により強迫性障害、双極Ⅱ型障害ともに現在は寛解状態を維持出来ています。
本当は、根治、完治を目指したいですが以上のようになかなかに厄介な代物です。なので、努力は決して怠りませんが、しばらくは、一生付き合う存在だと思い、共存していく所存です。
「強迫性障害」に関しては、「曝露反応妨害法」を引き続き実施し、強迫行為が0でなくても1や2で済ませる。
「双極Ⅱ型障害」に関しては、自分の体調不良のサインに敏感になり、アンガーマネジメントなどを駆使し、気分の波を小さく平坦なものにしていきたいと思っています。
長々と書きましたが、何はともあれ、これからよろしくお願い致します。
大町知輝

